キミに伝えたい愛がある。
そして第3部が始まった。


第2部のノリでジャズを演奏するとその後3年生の活動の奇跡がスライドショーで流された。


1年生の春、楽器のことなんか右も左も分からない状態で入部した私。


ホルンとの出会いがあって2つ上の先輩に楽譜の読み方から教わった。


初めて大舞台に立ったのは1年生の夏の大会で、打楽器搬入の時だった。


1、2年生だけで夏合宿を行い絆を深めた。


そして初めての定期演奏会。


その時のジャズはアメリカンパトロールという名曲で、私はわりと好きだったけどなぜか嫌いな先輩が多かった印象。


秋のアンサンブルコンテストは先輩方の金管四重奏が校内予選を突破し、大会に駒を進めた。


私たち1年生はとことん基礎練習で、毎日腹筋と校内2周をこなした。


きつかったなぁ。


そして冬がやって来て、いよいよ私たちも大会に参加出来るようになり、大会曲の選定会に参加した。


私はセカンドで初めて大会曲に本格参戦した。


その時は銅賞で、先輩達が荒れに荒れた記憶がある。


定演の開催も危ぶまれたけど、なんとか開催出来た。


アンサンブルコンテストは空くんの担当するユーフォニアムも加わり、金管五重奏になった。


予選を突破し、大会に行ったけど銀賞だった。


これが現実かと突きつけられ、『莉音ちゃんがやった方が絶対良かった』などと陰口を叩かれ、泣いた日もあった。


そんなこんなで今年に入り、私たちが最高学年になって部を引っ張って行くことになった。


大会は高校初めての金賞。


そして空くんの告白とりっくんの花束。


色んな体験と色んな葛藤を繰り返して今に至る。


最後の曲は、校歌。


式がある時は必ず演奏してきた。


どの曲よりも長く、どの曲よりも多くやって来た思い出の曲でピリオドを打つ。


私は大好きなホルンがライトに照らされてきらりと光るのが好きだった。


その瞬間だけは私も輝いているって思えたんだ。


...今までありがとう。


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