副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「私も……私も啓太さんが誰かに盗られてしまわないように、私だけの存在にしたいです」

啓太さんの想いが嬉しくて、真っ赤になりながら、私も本心を伝えた。

「ありがとう、美鈴。それじゃあ、明日の夕方、美鈴を僕の両親に紹介する」

「あ、明日ですか?」

「そう。美鈴は休みを取ってるでしょ?うちの母が、明後日には仕事で海外に行ってしまうから、明日じゃないとだめなんだ。父の方も、明日は社内にいるはずだから大丈夫。
明日の17時頃、家まで迎えに行くよ。申し訳ないけど、うちの会社に来てもらうよ」

「わかりました」

「それから、週末は美鈴のお母さんのところに行きたいから、都合を聞いておいて」

「はい」


いつの間にか、長い時間話していたようで、すっかり遅い時間になっていた。

「美鈴は、僕の一番大切な人だ。何かあったらいけないからね」

と、車で送ってくれることになった。

本当の婚約者になった途端に、遠慮なく私をあまやかすと宣言する啓太さん。
嬉しいような、恥ずかしいような……


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