探偵I(タンテイアイ)【第1巻】
「三上 竜也くん。今日の朝から僕の消しゴムがずっとなくて、教室の中をずっと探しているんだけどー。本当に、知らない?」
「さっきも、知らないって、答えたじゃないか。僕が謝ったことに対して田中からまだ返事を聞いてないんだけど……」
探偵Iの鼻がむずむずし出して、「ハクション!」と大きなくしゃみを一つした。
そのくしゃみが聞こえたのは不思議に三上くんだけだった。
三上くんが「あれっ、……!」と驚き、握りしめていた右手の力が緩み、手から小さな白い消しゴムが床にコロンと転がり落ちた。
「あ、消しゴム」と健児がぽつりと言った。
慌てた様子で「僕のだ……、」と三上くんが床に落ちた消しゴムを素早く拾う。