探偵I(タンテイアイ)【第1巻】
「じゃあ、三上くんのだったら、僕に見せてくれてもいいよね」
「ああ、いいよ、見ろよ──。僕の消しゴムは、名前を書いてないんだ」
そういって、三上くんが健児に消しゴムを差し出した。
一見、名前らしき記入も見当たらず、普通の消しゴムだ。
健児が消しゴムのケースをスッーとずらして取り外した。
ケースの方には、裏側に学年とクラスと名前が書かれたシールが張り付けてあり。
そして、消しゴムの中央部分には、ケースをしていた時には見えていなかったが、黒の油性マジックではっきりと学年とクラスと名前が書かれているのが一目瞭然だった。
「これでも、三上くんはこの消しゴムを自分の物だと言える?」
「ごめん、……僕が取った」
「三上くんは謝ったけど。僕は、もう許さない!」
「どうして──?」
「三上くんはもう僕の友達じゃないから。僕の友達は、一人だけじゃない」
「そうですねー」とにっこりと微笑む探偵I。