白い便箋を太陽に翳してみれば・・
お願い・・カズキ。
知ってるって言って・・。

「は?何言ってんだよ。花恵、流星の家知ってんだろ?つーか流星が引っ越しなんかするわけねーじゃん!」
「嘘!そんな冗談言わないで!」

溢れ出す涙と共に、もうあたしの体は限界で・・。

「お、おい!何があったんだよ!マジで流星引っ越しなんてしてねーよ?そんな話聞いてねーから・・」
「・・・」
「おい!もしもし?どーしたんだよ!流星に何かあったのか?!」
カズキの声が、だんだん焦りに変わっていく。
「・・流星が・・」
「流星がどうしたんだよ?!」
「いない・・」
「は?花恵、今どこにいんだよ・・!」
「・・流星の・・アパート・・」
「わかった。すぐ行くから絶対そこから離れんなよ!」

そこでカズキは電話を切った。
ふいに、自分の携帯が床に滑り落ちていく・・。

そしてそのまま、あたしは倒れた・・。
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