白い便箋を太陽に翳してみれば・・
あれからあたし達は、2時間くらい新幹線に乗っていたと思う。
懐かしい景色が見えてきた。

それは、あたし達の地元だった。
新幹線を降りてから、また電車に揺られて着いた場所・・。

「ここって・・」
あたしは、たまらず声を漏らした。
そこは、あたし達が前に二人で来た海だった・・。

「懐かしいなー。久しぶりに来た・・」
流星は、どこか昔を想い出しているみたいだった。
しばらく何気ない会話をして、二人で砂浜を歩いた。

9月の海は、風が気持ちよくて好き。
あたし達の心も、あの日に戻ったみたいな感じだった。
そして、あたし達はそのまま砂浜に座った。

「また花恵とここに来られるなんて想像もしてなかった・・」
「そうだね」
「前に花恵とここに来た時に言ったことなんだけどさ・・」
「俺・・海が好きなようで嫌い」
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