盗まれた秘宝の謎を追え!
エピローグ 腕輪の謎
「……久しぶり。美由紀」

「え?」

文月たちは、驚いた様子で美由紀を見た。

「ふふっ……私は、白井 小雪(こゆき)……美由紀の7歳上で、一人暮らしをしている姉だよ」

「お姉ちゃん!何でこれを盗んだりしたの!?」

腕輪を掲げ、美由紀が叫ぶと、小雪は悲しそうに美由紀を見る。

「お前、本当に何も覚えていないの?それは、亡くなったおばあちゃんからもらった、美由紀の形見だよ?それを盗んだお父さんは、当時館長だったこの美術館に展示した!だから、私はお父さんが死んだあとに、形見を取り返して美由紀に返したんだ」

「……事情があったとしても、あなたの行いは犯罪です。あなたを、器物破損、窃盗の容疑で逮捕します」

いつの間にか小雪の後ろに立っていたジェニファーは、小雪に手錠をかける。

「……ごめんなさい。だけど、私は何も後悔はしていない」

大人しくしていた小雪は、美由紀に向かって微笑んだ。

「……お姉ちゃん……」

連れていかれる小雪を、美由紀はただ見ていることしか出来なかった。
< 10 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop