【短編】STARTー恋ver.ー
3
真っ直ぐ前に向かって走っていた足を止める。
少し荒くなった呼吸を必死に落ち着かせようとした。
だってーーー
そこに、彼女がいたから。
あの時とおんなじで。
サラサラなストレートヘアを風になびかせて。
一瞬、夢かと思った。うそだろ?って。
自分の頬をつねってみたけど、ただ痛いだけ。
本当に、彼女だった。
あぁ、やっと会えた。
モヤモヤしていた気持ちが一気に消え去って、あの時の胸の高鳴りが蘇る。