愛すべき彼女達 ~十人十色~
「あぁ!助かったぁ。
彩先生がいないと、来年度は大変になるところだったぁ!」

初恋の悠人先生が

うっすら涙を浮かべる唯ちゃんを膝にのせて笑った。

「確かに!
私が出産で抜けるのに
彩もだと、唯ちゃんが大泣きしちゃうよね~」と

お腹を擦りながら笑う海晴。

それぞれのパートナーを見つけても

何も変わらず、笑顔いっぱいの仲間達。

仕事を辞めようって決めて、一番淋しいと思ったのは………

このメンバーと離れることだったけど。

これなら大丈夫だよね。

「ありがとう。
でも、やっぱり辞める!」

これには、全員びっくり顔。

フフッ……………面白い。

「私、洋ちゃんと一緒に生きていく。
子供だって早く欲しいし…………
洋ちゃんの支えになりたいから。
けど…………
もし、許してもらえるなら……………。
パートで雇ってもらえないですか?
クラス担任はムリだけど…………
新学期の忙しい時や行事前なんかは手伝えるから。」

私の提案に、食いついたのはもちろん悠人先生。

彼女の友達と言うより、ビジネスとして!

「それ良い!!
その発想はなかったよ!!
良い!!
ぜひ頼みたいよ。
大切な先生達がムリせず勤められて、ウチも離れないでいてくれて………
こんな良いアイデア。
今まで考えつかなかったのが情けないよ。
洋ちゃん、それでもいい??
お店や洋ちゃんが忙しい時は、そっちを優先してくれていいから。
これなら、保護者も安心するよ。」

思いの外、喜んでもらえて良かった。

私のワガママから出た、アイデアなのに。
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