溺愛ホリック
数週間後、私たちはバタバタしていた。



今日は待ちに待ったお引越しの日。



持っていくものが多すぎて絞れない私の横で、お姉ちゃんがまた豹くんになにやら吹き込んでるみたい·····。



「家事は柚子ばっかに押し付けないでよ?」

「わかってる。小姑かよ梓は」

「大事な妹を嫁に行かせるようなもんじゃん·····」

「ようは寂しいんだろ?」

「毎日お宅訪問してもいい?」

「うわ、やめろ。梓は出禁」

「柚子、豹のとこ行くのやめな!?」



もめないで働いてよ〜!



グチグチ言い合ってる2人の手をなんとか動かして、お引越し準備がやっと整った·····。



後は引越し業者さんに託すだけ。



「2人ともありがとう」

「いつでも帰ってきていいんだよ、柚子」

「うん、わかったよお姉ちゃん」

「豹にひどいこと言われたらあたしがプロレス技かけてあげるから!」

「どこで覚えたのそんなこと·····」

「巧也がプロレス好きだからよく見てて覚えたの」



豹くんにはかけないであげて·····。

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