溺愛ホリック
ガッカリしてる俺の気なんて知らずに、柚子はパラパラと参考書をめくる。



バイトのない日は、図書館で一緒に勉強するようになった。



俺の専属カテキョの柚子。



伏せた目が色気あんだよな·····。



柚子は最近綺麗になった。



梓がこの前、『ダイエットしてるの、柚子』って言ってたけど、別にしなくていいのにな。



まぁしてるおかげで、いいもの見せてもらってんだけど·····。



なんというか、勉強には集中しにくい。



誘惑が多すぎるわけ。



触りたい衝動がさっきからすごい。



「豹くん、ペン動いてない」

「あ、悪ぃ」

「わかんない?教える?」

「教えて」



一応、わかるとこだけど、柚子の少し高めな声が聞きたくて、わざと教えてもらったりする。



心地いいトーンなんだよ。



柚子って見れば見るほどいい女だよな·····。



最近表情も明るくなってきたし。



どこで覚えたのか化粧までしてきてんの。

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