溺愛ホリック
コクンと頷く柚子を思わず抱きしめた。



俺の腕の中にすっぽり収まる柚子·····。



この温もりは、俺が一生かけて守り抜くもの。



一緒に、歩幅合わせて歩いてこーな。



あれから柚子を呼び出す女子はいなくなった。



葉っぱも赤く色づき始めたこの頃。



俺と柚子、同じ大学に行くことを決めた。



というか、柚子が行くって決めてた大学に俺も通うってなっただけだけど。



まぁ少しレベルは高くて。



俺の猛勉強の日々が始まった。



バイトも行く頻度は減った。



柚子も1週間のバイト生活は終わった。



·····はずが。



「店長さんが、大学生になっても続けたらいいよって言ってくれたの」

「籍残してくれんの?」

「うんっ!楽しかったし、環ちゃんも同じ条件で続けるってなったから!」

「そりゃ·····よかったな」

「今は勉強に集中するよっ」



柚子との時間、増えるわけじゃねぇのか·····。

< 59 / 178 >

この作品をシェア

pagetop