溺愛ホリック
ポコッ、て。



頭に軽いゲンコツが降ってきたけど、真っ赤な顔した先輩が可愛くて、全然痛くなんてなくて。



ちょっと怒ってるそんな顔も愛しい。



たぶん、私、笑ってる。



「バカにしてるな〜?」

「してないですよっ」

「僕の反応見て楽しんでる·····」

「それは、先輩が可愛くてっ·····」

「あ、先輩って言った」

「はっ!!」

「お仕置きだね〜」



なんて言われた次の瞬間には、唇にフニっとした感触と、変わる息遣いに混乱。



私の初めてのキスは、一瞬で終わり。



それでも、好きな人とのキスは、もっとしたいなんて、思ってしまった。



言えっこないんだけど·····。



「約束破るごとに罰ゲームだからね」

「はい·····」

「うん、いい子」



先輩の·····ううん、千賀くんの手のひらの上で転がされてもいい。



私はもう、千賀くんに、心奪われたから。

< 83 / 178 >

この作品をシェア

pagetop