先生は溺愛ダンナさま
コンビニの自動ドアの開くのも、もどかしく彼に向かって走りだしていた。


彼に再び会うのはあと数時間先になるって思っていたから、思いがけず早く会えて嬉しい。


「理人さーん」


「あれ、すみれ?」


「会いたかったよぅ」


「あ、えっと待って、ちょっと」


抱きつかんばかりに、近づく私に戸惑っている理人さんの手をギュッと握りしめた。


「今、仕事は休憩中?」


だけど、優しく笑ってくれた彼は、さりげなく私の手を引いてレジの前から移動する。


「ううん、おつかいに来てるの。タバコと雑誌とスポーツ新聞を買ってくるように言われて」


「おつかい?そんなことまでやらされるの?」
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