悔しいけど好き
その後、風呂場で凪の肩に残る歯型を見つけしきりに後悔した。
凪は気付いていないが背中にも歯形が残っていた。
我を忘れた俺は何をやってるんだと落ち込んだ。

それなのに責めもせず優しい凪にちょっと疑ってしまう。
普通なら絶対猛講義してくるはずだ。
それとも後で何か仕返しが待ってるのか?と戦々恐々となる。
やっぱ嫌いとか言われた日には立ち直れそうもない。
もう二度と凪を傷つける様なことはしないと心に誓う。

「まあ、怒らせたのは私だろうし…」

「違う…あいつに挑発されたんだよ。だから俺は…」

「あいつ?周くんのこと?何言われたの?」

「…話したくない」

奴の告白は衝撃的で凪には絶対教えたくない。
奴の気持ちを知ったら凪はどうするだろうと怖かった。
このことは俺が一人で墓場まで持っていく。

風呂から上がり腹を満たし落ち着いて凪と話をした。
絶対逃したくないから早めにうちの両親に紹介しよう。
不安そうな顔をする凪に触れキスをした。
自分も不安な顔してるとは露知らず凪を見つめる。
もう一度、ちゃんと抱きたい。
心から愛して凪を悦ばせたい。
すんなりOKしてくれた凪をベットに連れて行く。

凪の顔を見ながら我慢した日々を思い出し俺の方が悦びに浸る。
柔らかい凪の体は甘くて温かくてずっと繋がっていたいと思うほど気持ちが良かった。
我慢せずに嬌声を上げる凪が可愛くて、愛しさで高まる思いは治まりを知らず、無理をさせ過ぎてしまったらしい。
最後に果てて気を失うように寝てしまった凪の頭を撫で鼻の頭にキスをした。

実はいつも一緒に寝るとき先に眠った凪の顔を見つめ鼻にキスをして俺も眠りについた。
凪は絶対気付いてないだろう。
幸福感に満たされた俺を凪の体が温かく包んで微睡(まどろみ)へと誘ってくれる。
ずっとこうやって凪を抱きしめて眠りたい。
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