悔しいけど好き
「そうか、確かに美味いな、甘くて病みつきになりそう」

「ん?」

首を傾げる凪に再び口付けると微かに感じるいちごの香り。
だけどそれだけじゃない甘く蕩ける唇は媚薬のように俺を惑わせ惹き付ける。

当然それだけでは止まらず、ベッドに連れ込み散々鳴かせて身も心も満足したときには凪は
夢の中。
うつ伏せで眠る素肌の背中にキスをして髪を撫でた。

「ごめん…凪」

自制が効かない俺の心と体はもう凪意外受付けやしないだろう。
例え凪から別れたいと言われても離してやれそうもない。

凪はあんなに塞ぎ込んでたのに蕩けきっていた顔には悩みは見えず、全身で俺を受け入れてくれた。
きっと美玖さんに相談して気が晴れたんだろう。

だけど俺に相談してくれないのは少し妬ける。
美玖さんにまで嫉妬するとか俺は凪に惚れ過ぎらしい。
凪にのめり込みやすいなんて言ってる場合じゃ無いな。
つい嘲笑気味に笑ってしまう。

「う…ん…」

凪が寝返りを打ってこちらを向いた。
あどけないその寝顔に底なしの愛しさはとどまることを知らない。
頭をそっと持ち上げ腕を滑り込ませ抱き寄せて鼻の頭にキスをした。

「おやすみ凪、愛してる」

いつもの寝る前の儀式に幸福感が満ちて目を閉じた。
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