悔しいけど好き
「わからないわよ?最近は神城くん絡みで噂に立つことも多いし、凪を誘いたい男性社員も多いんだから」

「それこそまさかでしょ」

変な噂はまだ出回ってるようで直接何か言われることは無いからいいけどちょっとうんざり。
この間鷹臣が色々しゃべっていたけどそれで興味を持ったならお門違いだ。

「…あ、そうか、今まで話し掛けられたことないし、もし興味を持っても実際の私を見たら声も掛けずにみんな帰っていってるのかも」

うんうん、きっとそうだ。
実際の地味な私を見てつまんないと踵を返してるに違いない。

「…それ、違うと思うけど」

一人納得して頷く私にまた呆れたような明莉のため息が聞こえる。

「え?何で?」

「あんたは守られてるってことよ」

守られてる?どういうことだろ?
よくわからなくて首を傾げてると、ふっと諦めたように笑い明莉は立ち上がる。

「ま、いいわ。そんなところも凪の良さだし。そろそろ出ようか」

「え?ちょっと待ってよ」

慌てて明莉を追いかけ、どういうことよ?と聞いてもはぐらかされた。

「ほんと凪は自己評価が低いし鈍感…」

「え?今なんか言った?」

「ううん何でもなーい」

やっぱりはぐらかされてむうっと膨れてるとお子さま!と笑われた。
明莉がどういうことか教えてくれないせいでしょ!もう…。

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