悔しいけど好き
「赤ちゃんが生まれたって連絡が来たからおめでとうって伝える為だったの」

「え?…そうなのか」

「そう、だからやましいことは一つもないし鷹臣が気にすることも無いのよ。いい加減周くんの事慣れてよね。じゃ、また明日、会社でね」

凪は言うだけ言って電話を切った。
はあ~~~~っとでっかいため息を吐いてベッドに倒れ込む。

慣れてくれと言われてもきっと奴の事はこの先も慣れそうもない。
凪は吹っ切れてても奴は…。

とにかく俺の早とちりということが分かって安心した。
凪はちゃんと俺とのことを想っていてくれた。
それだけで心の中は温かくなる。
今度こそ凪を傷つけることが無いように誓いを立てて言われた通り反省しておこう。
明日、ちゃんと凪の顔を見て謝って仲直りがしたい。

「よし、まずは風呂にでも入ろう」

気を取り直した俺は部屋を出ると従兄と出くわした。

「あれ?寝るんじゃなかったの?」

「ああ、風呂入ろうと思って」

「あれあれ?すっきりした顔しちゃって、彼女と仲直りでもしたか?」

「別にいいだろどうでも」

興味津々の従兄の顔を押しのけバスルームに向かう。

「あ、アニキ、俺近いうちにここ出てくから」

「ふーん、そう。気持ちは固まった?」

「ああ」

もう二度と離れ離れにはなりたくない。

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