悔しいけど好き
「えっ!?あいつが?」

「そうよ~、凪が休めって言っても全然いうこと聞いてくれないって心配そうに、私に何とか言ってやってくれって言ってたわ」

「う…うそ…」

まさかあいつが私の心配して明莉にまで相談してたなんて知らなかった。

「でもあんたは私の言うことも聞いてくれなかった。大丈夫大丈夫、全然平気ってそればっかり。人の心配を全然理解してくれなかったわね」

「え…そんなことあったっけ?」

はあ~と大きなため息を付かれ頬杖を突き剣呑な目で見てくる明莉になんだか畏まる。

「ほんとあんたは周りを見ていなかったわね、自分自身も見ていない。死にそうな顔してるのに平気平気って言っても誰も納得できないわよ」

何時の事なのか、全然覚えてない。
そういや奴もそんなこと言ってたな。そんなにひどかったの私?

「でも今日は私の話ちゃんと聞いてくれてるみたいね?ほんと前は上の空って感じで聞いてるの?って、何度も聞いたんだから。覚えてないでしょ?」

こくりと頷く。
自分の状態を自分でわかっていないって恐ろしい気がする。

< 34 / 325 >

この作品をシェア

pagetop