悔しいけど好き
「アシスタントになって余裕が出てきたんじゃない?良かったわね?あのまま営業してたらあんた死んでたわね確実に」

「や…ちょっと…怖いこと言わないでよ…」

神城と同じこと言われて焦る。
確かに前より心身ともに楽になった気はする。

営業してた時はいつも何かに追い立てられるように次から次へと仕事に打ち込んでたから、今は物足りないくらいに思うほど楽させてもらってる。前は定時に帰るなんて考えられなかった。

「神城君に感謝しなさいよ?彼が上に進言してくれたから死なずに済んでるんだから。いずれ凪が営業に復帰するとき返せるようにあんたの営業先も全て引き受けてくれてるんでしょ?」

「えっ!そんな話聞いてないよ!」

まさか私営業に戻れるの?
確かに奴は「今は休め」と言っていたけど、正木部長は復帰する話なんてしてなかった。

「あ~言っちゃダメだったかな?まあ…もう言っちゃったし、いいか」

明莉はまずいなという顔をしたけど、基本楽観主義者なので直ぐに居直り私に大っぴらに話をした。

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