婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

ドキドキと胸が高鳴る。まだ見ぬ、未知の世界への期待が膨れ上がる。



そして、豹牙はファスナーのついた袋からそのてんと、とやらを取り出した。



「………」



しかし、そこも未知の世界で。



「こ、これ!な、何っ?!」

「テント一式。骨組みのポールつき」

「え?天幕でしょ?!…帆布じゃないよ?」

「これは化学繊維なのであーる。これも人間が発明した独特の布地だ。天界は神力頼みで布地を強化してるからな。…これを天界で造る技術があればいいんだけどなぁー。神力無しで。なら、平民の人々にも手に入りやすくなるんだけど」

「かがくせんい?」

何だ何だなんだ。知らないものがいっぱい飛び出してくる。

それはまるで、天から授かった贈り物のように。

ドキドキワクワクは更に、私の胸の中に込み上げてくる。




そして、私達はテントという天幕を建てることになる。

豹牙の指示でポールという金属の支柱を、かがくせんいの布地に差し込んでいくのだ。

差し込むところも決まっていて。

「…おぉい、羅沙!そこじゃねえぞ!…おい!黄色と黄色でくっつけるんだ!」

うわうわうわ。何が何だかわからない。複雑。
< 175 / 440 >

この作品をシェア

pagetop