婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

15.アツイ思いと缶ビール

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夕陽も暖かみの橙色を引き連れて完全に姿を消し、代わりに濃紺の夜空が訪れる。

灯りが必要だと、思い始めたその時。

豹牙はまたしても人間界ぐっずを取り出した。

テントとお揃いの深緑があしらわれた…燭台?角灯かな?

にしては、形がまたしても斬新だ。



「これはランタンでっせ」



パチッとつまみを動かす音と同時に、灯りがパッと灯る。

え?火じゃない!



「これって、ひょっとして…」

「おー。電気だ」

「電気!」



この天界の灯りは、主に炎か神力を使っている。

神力の灯りは、それを使える貴族、王族、天部衆に限られるため、領地の平民は炎の灯りを使わざるを得ない。

平民の人達にも、明るい夜を過ごして欲しい。

そう考えた私のお兄様、夜叉王が打ち出した案とは、電気を作る発電所の建築計画だった。

何処からか情報を手に入れて、東の地域の貴族らと共に発電所を作ってしまった。

しかし、まだ試作段階で、王領全体に普及するのはまだ後になりそうだ。



「ひょっとして、お兄様の発電所の案って…」

「恐らく人間界から仕入れた知識だな」

「やっぱり!」
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