婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

話を聞いてくれない人の話なんて、聞きません!



…でも、竜王様相手にあそこまで突っぱねたのは初めてで、変にドキドキしているのは否めない。



さっきの件を思い出してはムッとしていたが、そこで私は何故か関係のない話をハッと思い出す。



「豹牙、テント…テントそのままにしてきちゃった!」

「あーそれダイジョブ。ぽめが全部片付けた」

「え!」

豹牙の左肩に身を預けているぽめは「わん!」と吠える。問題ないよ!みたいな。

あの大きいテント、一人で片付けたの?焚き火台も椅子も?

ぽめって何者…?

豹牙の肩にちょこんと手を掛けててかわいいけど。



「心配すんなよー?行け行けゴーゴー!このまま湖も森もひとっ飛びー!フー!」



相変わらず、ノリノリである。



豹牙の言う通り、疾風の如く高速で進む移動術式の陣は、広い広い湖を越えてしまった。

そして『魔の森』をも飛び越える。

と、思いきや。



「…あ」

「わわっ!」



奥まで広がる森林地帯の真上で、移動術式の陣はガクッと揺れて傾いた。

何とか持ち堪えて水平を保ったが、豹牙な口を尖らせて渋い顔をしている。



「ど、どうしたの?」

「…磁場が発生した」

「え、磁場…?」

「このまま森の上を通過するのは危ないな。森の中へ降りるか」
< 302 / 440 >

この作品をシェア

pagetop