婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
陸の巻 キャンプをしたら、良い夢見よう

30.弁解のお時間

♦︎♦︎♦︎






(…わっ!)



何かが鼻に掠った感触で、体がブルッと震えた。

何?何だろ?

…と、考える間もなく、その次々とその感触は鼻の辺りを襲う。

ぺろぺろぺろぺろ…。くすぐったい。

その刺激が、頭と体を目覚めさせる。



「んっ…」



うっすらと開いた目は、まだ視界を捉えられない。

頭はボーッとするけど、周りの物音や人の声が聞こえていた。



「…しっ!羅沙を起こすな!このわたあめワンコロ!」

「わん!」



この声、誰?鳴き声は…。



だんだん目が開いて、光が差してくる。

私の顔を覗き込む陰が見えた。



「…ぽめ?」

「わん!」



うるうるした真っ黒なつぶらな瞳と、もふもふの白い毛。

…ぽめだ!

元気に声をあげるぽめの顔を見てホッとする。

そういえば…魔族の攻撃を受けて吹っ飛んでいったぽめ。

無事だったんだ。よかった…!



「ぽめ、無事で良かった」

目が合うと、ぽめはキューンと唸って、私の顔をぺろぺろと舐めてくる。

くすぐったい!でもかわいい…。
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