恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
なんだろう?

「あんた事故にあったときのこと覚えないんだよね?」

「うん。バイクがわたしに向かってきたとこで、記憶なくしてて…気づいたらここに寝てたっていうかんじかな。」

「だよね…。」

そしてまた2人で顔を見合わせ、ナミがゆっくりと話し始めた。

「事故の状況を説明するとね…」

「うん。」

「杏ちゃんと明石くんが一緒に帰ったでしょ?」

あ、そうだ。明石くん…あのあとどうしたんだろう?

「で、杏ちゃんがコンビニから出てきたことで暴走バイクにぶつかるとこ、明石くんが目の当たりにしてかなり顔面蒼白でうろたえてるとこにわたしたちもコンビニの前通ったから、大急ぎで杏ちゃんとこに走ったの。」

「うん。」

「そしたらね…杏ちゃん…」

そこでいったん言葉を切るナミ。どうしようか迷ってるふうだったけど…まゆりに脇をつっつかれて、また話し始めた。

「言ってたの…ずっと…うわ言みたいに…」

「うわ言?」

って…何?
なんか…ドキドキする…

「碧斗…碧斗…って…」

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