恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


そして土曜日…

わたしはお父さんに言わずに…京太郎の…家に…行ってしまった。

どうしても…お父さんには…いえなかった。

だから…碧斗にもこのことは…言えなくて…
まゆりの家に行くとウソをついて…家を出た。

京太郎が駅まで迎えにきてくれた。

ドキドキする…
初めて会う…お母さん。

お父さんを置いて出て行った人だと分かっていても…どんな人なのか…気になって…仕方なくて…
やっぱり会いにきてしまった。

「杏?緊張してるの?」

「え?う…ん。まぁ…そうかな。」

「だよね。僕もそうだった。ほんとのお母さん…知らないから…この間アメリカを引っ越す時に初めて会ったんだ。けど…僕にとってはどっちのお母さんも大切な人だよ。」

そっか…京太郎も…ほんとのお母さん知らなかったんだ。
なら、わたしと…同じだ…。
< 186 / 255 >

この作品をシェア

pagetop