恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
気もそぞろにそのまま家に帰り着く。

横で美紗都が何やら喚き立ててだけど、さっぱり耳に入らなかった。

杏の部屋に行ってみる。
帰ってた…。
電気が漏れてる。

その日はあまりにもムカついてたからか、ノックもしなかった俺。

そしたら、杏がサッと何かを机の引き出しにかくしやがった。

「おい!杏!」

もう我慢できなかった。

「なんで、隠すんだよ?お前最近変だぞ。コソコソ何やってんだよ!」

杏の机の上に、バンッと手のひらをつく。

杏はビクッとして、俺を見て…それで…ちょっと間があって…

「ゴメン…」

と言った。

ゴメンって…ゴメンって…なんだよ?

お前が…謝るってことは…やっぱ京太郎んとこ行くのか?
俺はもう用済みなのか?

そしたら杏が、言ったのだ。

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