恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


緊張してるのが伝わってくる…

杏が俺の顔を時々、すがるように見るのだ。
けど…頑張るのは杏だ。

最後におじさんが食べ終わったとき、おじさんが席を立とうとしたので俺は助け舟を出した。

「勝おじさん。杏が…今進路のことで悩んでんだって。聞いてやったら?」

「え?どうした?杏。お前もそんなことで悩むのか?」

と杏と向き合う姿勢を見せた。
そして杏は意を決したように深呼吸すると、

「お父さん。話さないといけないことがある。」

と語りはじめた。

俺は静かに…何も言わず立ち上がると、杏をおじさんの前に座るよう促し、テーブルの上の食器をシンクに運んだり、コーヒーを入れたりした。

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