恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


次の日、それでもわたしはまた瀬田さんのところに行った。

相変わらず、ずっとメモ取る日々…

この味はほんとに突き詰めたい…

だから通ってるんだけど…

「杏ねぇちゃん!」

そろそろ帰り支度をと、エプソンを着替えてたら、後ろから、陽太郎が背中に飛び乗ってきた。

「うわっ。陽太郎。」

悪戯っ子の顔してるなと思う。
クスクス笑ってるのがかわいい。

わたしの弟なんだ…

「杏。」

陽太郎とじゃれてたらお母さんが家から出てきた。

「いつも頑張るわね。」

わたしと陽太郎が戯れてるのを見ると嬉しそうにニコニコするお母さん…

けど…
やっぱり…
わたしの居場所はここじゃない…

「お母さん。帰るね。」

「ええ。気をつけて。」

お母さんもそれはわかってる。

から何も言わずにわたしをいつも送り出してくれる。

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