最愛なる妻へ~皇帝陛下は新妻への愛欲を抑えきれない~
「――イヴァン様。私、この国がとても好きです」
素肌にブランケットだけを纏った姿で窓辺に立ち、ナタリアが呟く。
ソファから身を起こしたイヴァンは脚衣だけ身につけると、自分のシャツを手にしてナタリアのもとまで行った。
「体を冷やすな」
そう言って肩に掛けられたシャツは大きくて、ナタリアの腿まですっぽり覆ってしまう。
シャツとブランケットにくるんだナタリアを後ろから抱きしめながら、イヴァンはさっき遺した首筋の赤い痕にもう一度唇を押しつけた。
小さく息を乱すナタリアの髪を手で梳いて、イヴァンは「俺も、この国が好きだ」と会話の続きを紡ぐ。
ナタリアは首筋を舐るイヴァンの頬に手を添えて、懐かしそうに目を細めた。
「雪に……白に包まれて、まるで時が止まってしまったような街並みを見ていると……永遠を感じるのです。ずっとずっと終わらない世界にいるみたいで……少しだけ怖くて、けれど……」
「けれど?」
「あなたと一緒ならば、なんて幸せなことだろうって……」