伝わらなかったあの日の想い
 部屋に入り、礼服を脱ぐ。
お気に入りの部屋着である高校の頃のジャージに着替え、ベッドに腰掛ける。

ふぅ……
疲れた…

事故の知らせを受け、身元確認に呼び出され、泣きながら両親であることを確認したのに、司法解剖に回すからと、両親を連れて帰る事も許されず、葬儀の準備をし、昨日の通夜では眠る事なく過ごし、今日は葬儀で、もう精も根も尽き果てた。
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