雲上の姫
「ここで殺すわけにはいかないのです。私たちと共にディアーナに帰りましょうレイラ姫―いやもう王女の地位なんてないんでしょう」




私の耳元でそう囁いてふふっと笑った




もうレオにバレないようにするなんていう場合じゃない



水の魔法を思いっきり男たちに向けて出した




「さすがレイラ姫。魔法の腕は衰えていないのですね」



「当たり前よ。ここで捕まる訳にはいかないので」




「死に損ないならそれらしく、また死んでもらうしかないと思いますが」




「私は必ずディアーナのみんなを救うわ。死ぬわけにはいかないのよ」




「今のあなたにディアーナを救うことなんてできるとは思いませんが...とにかく私たちの任務はあなたをディアーナの牢に繋ぐこと」




この男と話すのに夢中でもう一人の男の動きをみていなかった




「クレア!あぶない!」



「え?」




タオルを当てられ、意識が遠のいていく




そのなかで激しくなにかがぶつかる音がした



< 136 / 197 >

この作品をシェア

pagetop