お願いだからそばにいて
何故か戸惑った彼は言葉を放った。
「ねぇ、この人の友達いるー?」
奏の行動に私はびっくりする。
それに答えたのはもちろん愛梨だ。
「…私だけど。どうしたの?」
「この人、記憶喪失してる?」
私は怪しい予感がしてきて、目をぎゅっとつぶった。
「え、違いますよ?」
「やっぱり、な…。じゃあ、幼馴染みに誰って言うのはおかしいよね?桜」
私は固まった。
どうして、嘘だって分かるんだろう…。
「ええええええええー!!!!」
クラスの女子全員が悲鳴を上げた。
「な?桜」
私は涙が溢れて止まらなくなった。
本当は会いたかった幼馴染み。
とても大好きな幼馴染み。
「か、なで…」
「…泣くな」
奏は私の背中をさすってくれた。
変わらない優しさが嬉しかった。
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