お願いだからそばにいて
奏…。
私、今…迷ってる…
離れたほうがいいのかそばに居たほうがいいのか…
奏とずっと居られる?
奏に病気の事を隠して、そばにいるの?
そんなの、無理。
だから奏のそばにいるのは他の人でいて欲しい。



帰り道のことだった。
「桜、あのさ」
「うん…」
「好きだ。付き合ってくれ!」
奏の言葉にびっくりする。
「お前じゃなきゃ駄目なんだよ」
「ごめんね…好きじゃ、ない…」
嘘をついた。
本当は嬉しいのに…
「そっか…じゃあ…」
友達のままで。
奏は涙を必死にこらえながら走って行った。
私はその姿を見ながら涙を流す。



ごめん、奏…
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