お願いだからそばにいて

苦痛 そして…

それから奏はしばらく学校に来ていない。
相当、傷ついたんだな…
振った私も、傷ついた。

しかも最近、病気が悪化して、よく腹痛を繰り返していた。
時には嘔吐もした。
こういう時、奏が居てくれたら…
とは、思うものの…

「そんなわけ、ないもんね…」 

保健室に向かう途中に呟いた。
「桜…授業中じゃねーの?」
え??
「奏?」
「風邪引いちゃってさ。休んでた」


本当は、違うくせに。 

私は目を逸らし、はーっと息を吐いた。

「私は…保健室に、行くの…」
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