お願いだからそばにいて

キス

次の日、愛梨は何故か顔を真っ赤にして学校に来た。
「どうしたの、愛梨?」
愛梨は赤くなった頬を手で押さえながら言った。
「好きな人…」
「好きな人って誰?」
気になって聞くと愛梨は口に指をあてて言った。
「内緒っ」
「えー、教えてよー」
私は隠そうとする愛梨に近寄って言う。
「無理無理っ!嫌だよ!」
「ほら、そんなこと言わずに!ねっ」
「まぁ…いつか、なら…」
そんな会話をしていると近くに気配を感じた。
振り返ってみると矢野がいた。
「あ、連…」
愛梨は凄く顔を真っ赤にしていた。
「お、おう…」
「あのさ連…、今日も…お願いできる…?」
愛梨は矢野にそうお願いしていた。
「え、え、え?…遠藤は来る?」
矢野も愛梨も顔を赤くしていた。
きっと2人はお互いに好きだと分かった私はこう言った。
「え、えーと…私はひとりで出来るから…」
「そっか…。流石にずっと教えるのはきついか」
「ごめんね…桜っ。…連、いいよね??」
「あ、あぁ…」
矢野も愛梨も、お互い気まずそうに目を逸らしていたのだけが少し気になっていた。

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