エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「そうよ。医療業界はね、コネがものをいうわよ。さあ、スマホ出して連絡先交換するわよ」
晶さんが学を急かしたが、弟は連絡先を交換するのを渋った。
「名刺をもらえればいい。なんか交換したらこの人に食われそう」
弟はおぞましいものでも見るような目で晶さんを見る。
そんな学の言葉に同意した。
「あー、確かにその方が安全かもね」
決してブラコンではないけれど、身内が晶さんに襲われるのはちょっといただけない。
「葵ちゃんまで酷いわあ。葵ちゃんの可愛い弟くんを食べたりしないわよ。イケメンくんだけど、私はもうちょっと熟した方が好み。恭ちゃんとか涼ちゃんとか」
晶さんは私や弟の発言には落ち込まず、フフッと笑って恭吾さんに目をやる。
だが、恭吾さんは晶さんを相手にせず、弟に優しい目をして言った。
「学くん、あれの言うことは適当に聞き流していいから、肉いっぱい食べて。葵も箸とまってる。ちゃんと食べて太らないとダメだ」
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