歌舞伎町ボーイズ
 一際、汚い世界だ。


 ダークサイトで。


 彼女は終夜営業のマックで働いているのだが、いろいろあるだろう。


 あまり話してくれることはないのだけれど……。


 でも、どんなことも、いつか笑って話せる日が来る。


 俺はそう思っていた。


 悲観的にならない。


 それにユキがいてくれる。


 何かあっても、ずっと一緒だ。


 人間、生きていくためには、何かを犠牲にしないといけない。


 肉体や心、時間などを。


 でも、いいのである。


 悪いことは起きないと思っていた。
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