歌舞伎町ボーイズ
「橋元様をおもてなしして差し上げて」


 と言った。


「俺ですか?相手、女優さんですよ。店長の方が」


「いや、俺は忙しいんだ。コウジ、お前がやれ」


「分かりました」


 コウジが頷き、小緒里の脇に座る。
 

 高そうな香水の香りがプンプンしていて、おまけに目も合わせられずにいた。


「お名前は?」


「コウジです」


「リラックスしてね。お酒飲む場所だから」


 コウジは極度に緊張している。


 小緒里は足を組み替え、ゆっくりしていた。


 俺も笑う。
< 14 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop