歌舞伎町ボーイズ
 いつもいたちごっこ、チキンレースを演じ続ける。


 そうやってこの街は回り続けている。


 昨日も今日も。


 夜の世界に、綺麗事など、およそ通用しない。


 互いに掟破りばかりだ。


 昔からずっと。


 日付が一つ変わり、2019年11月4日午前零時2分。


 急に目が覚めた。


 隣で眠り続けているユキの寝顔を見る。


 愛しい。


 ずっと愛していたい存在だ。


 どんなに苦しいことがあっても、この顔から零れ出る笑みだけは絶対守り抜く。


 ある意味、守るものがある人間は強い。
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