指輪の魔法がとけた時
田仲からなんども着信があったが電車に乗っているのでそのまま無視し続けた。

『大丈夫か?』

とメッセージが届き

『心配かけてごめんね。大丈夫。電車の中だから電話出れなくてごめん。田仲はみんなと楽しんで。』

とすぐに送り返した。

携帯を鞄にしまうと、ため息がでた。

亮二が口にした私から離れた理由は真実なのかはわからない。

亮二はプライドが高い人だ。

自分が結婚しても、自分の目の届くところで私が他の男といることが面白くないのだろう。

たとえ、真実を語っていたとしても、今さらどうにもならないのだ。

私たちはもう終わったのだから。
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