お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



それを先輩にぜんぶ話してみたら。



「ってか、なんで俺に何も言わずに鍵置いてってんの。鍵返しに来たこと全然気づかなくて、つい最近菜津からこの前杞羽がここに来たって聞いたし」



「やっ、だって……暁生先輩が菜津さんのこと好きだと思ったから…。だから、もう先輩のこと諦めなきゃって思って……」



勘違いしたわたしも悪いけど、暁生先輩だって思わせぶりなことばっかりして、肝心な気持ち伝えてくれなかったじゃん。


誤解しても仕方ないよ。



「……諦めなくていーのに」


「だって、先輩…、気持ちちゃんと教えてくれないじゃん……っ」


わたしばっかりがこんなに必死になってるのがすごく悔しくて、なんでかまた泣きそうになる。



「……いっこだけ、いいこと教えてあげよーか」


「へ……っ?」




「……俺は好きでもない子にキスはしない」

< 240 / 350 >

この作品をシェア

pagetop