世界No.1の総長と一輪の花(ハロウィン特別編 詩優side)
花莉はそんな俺を予想していなかったというように、ただ俺の目を見つめて固まっている。
…そういう反応も可愛い。
自分から言い出したことなのに困ってるとこ。
「え、と……あんなこととか…そんなこととか……」
俺から目線を逸らして誤魔化したように言う花莉。
イタズラの内容でも考えていなかったのかも。
「へえ?」
俺が楽しんでいると花莉は一瞬だけ目を合わせてまた視線を逸らす。
そしてまた困った表情に。
「お菓子ねぇからイタズラしていーよ」
だからもっともっと困らせてやりたくなる。
でも、花莉はムキになったようで
「イタズラしちゃうもん…!!」
俺の膝の上に乗ってきて、手に持っていたスマホを奪われた。
俺がさっきまで見ていたのは連絡先の一覧。中学のダチや雷龍のメンバーの連絡先。