浮気男のシンデレラ
慶一道の視線は陽和に向けて
益々強くなる。

〈やりづらい。仕事と割り切ったけど
あの視線がずーっとついてくる。〉


たまらず彩乃さんに聞いて見る。
「合コン席、誰かお願いできません
か?、一般席に代わります。」

「う﹏ん、もうデザートだからさぁ
もうちょい、もうちょい。」

彩菜さんも顔をニョッキり出して
左手上げて、ゴーゴーサイン。

2人して口パク
「ガンバレー、ガンバレー」

フウッ「あれはヤレと言っているんだ‼」


気を取り直し、デザート用の冷蔵庫
からケーキ類を取り出しワゴンにのせ、
合コン席へと向かう。

「デザートはどれに
いたしましょうか?」
ワゴンには昼間必死で作ったアップル
パイ、ブルーベリーパイ、ラズベリー
パイ、ショートケーキ類が並ぶ!

女の子のテンションもUP.UP
男達もなんかうれしそう。

またもや慶一道の視線を感じる。

チッ〈だからみるな‼ってーの‼〉
陽和は慶一道をチラ見して引き攣る
笑顔でニッコリ

あー疲れる‼



今日は春に向けての新作の発表会議‼
モデルも選ばなければならない。

俺は、外国人のモデル、リ、ジオン
を押したが、新人モデルの
オーディションをしたがいいと半々、
意見が合わず、会議は難航。

彼女はシンガポール在住の売れっ子モデル、日本にも名前が売れ始めファン
はかなり急増している。

リ、ジオンを採用しか考えられない。


リ、ジオンには前から目をつけていた。
しかし彼女の事務所からは中々いい
返事を貰えない

会議は休憩に入った。

フウッ 頭を抱えていると、
直大(なおと)
からLIN〇がきていた。

既読無視しょうと思ったが一応、

「なに?会議中」

「おーでたか?
今日の合コン必ずこい‼」

「だから、会議だって‼」

「そんなん、お前の権限で
ソッコーで終わらせろ!」


「お前馬鹿か?
会議の意味なくねー。」

「今日、こねーと
後悔大レベル、ボン、キュッ、
ボーン の美人揃い。」


「うっ‼」

「遅れても許す。
必ず・・・来い。」

直大は御曹司グループでも、財力、
権力、人望は俺と張り合っている。

仲が悪くは無いが良くもない。

この間の合コンで、飲みすぎても
俺はヤレるかどうか、試したらしい。

鷹斗から蒼太がトイレに行った時に聞
いた。

﹏w仕返しする。
行きたくない振りして必ず行く‼
なぜなら借りを返すからだ‼
˶`﹀´˵ ニヒヒ
合コンなんて、ドーデモ良い。
ケッ洗って待ってろ‼




「ああ、場所は、ラズベリーCafe」
待ってるからな!」

「なんで?Cafe」

「女の子の希望‼」

バタバタと会議は持ち越し。
仕事熱心な部長は資料を読み返していた。

「部長駅方向だったよね。直大から飯
の誘いがあったんだけど、知って
る?」


部長は資料をパタンと閉じて怪しい
眼差しで俺を見た。

「ええ‼ よーく知ってますよ。
わたくしも良く行きます。ケド・・・」

「ご飯?…だけ?」
感のいい部長は突き詰めて聞いてくる。


「アハハハハハ、勿論。」
あのデカ目で怪しまれたらゲロりそう
になる。•﹏•๑ブル


部長は怪しみながらも
「まあ、仕方ありませんね。
お友達も大事ですから・・・

あそこの料理はそこいらのホテルより
格上ですし、凄く美味しいですよ。」

部長の運転する車は、繁華街を抜け
駅裏に回った。
そこには一際目立っ建築物があった。

全面ガラス張りで、観葉植物がバラン
ス取れてならべてある。

外からは、明るい店内がよく見える。
入口には大きな兎のオブジェがあり
薔薇の花をかかえている。

部長が男同士が食事するには似つかわ
しくなく怪しむのも成程だ。



「良いですか!
変な女に捕まって、変な事にはならぬ
ようにお願い致します。

会長、社長にはしっかり目付け役を
お願いされていますからね。

確たる見合いの日までシッカリ
みはりますから。
副社長の肩には何万と言う社員の生活
が、かかってますからね。

《《おわすれなく‼》》」

部長はひときり説教かましたあと
ヒョイと店の中を覗き

《《《°Д°あっ‼…》》》

と驚きの声をあげた後、穏やかな顔
つきになった。
ほんの一瞬だった、また俺を振り返ると
キリリとした、顔付きに戻り
「では・・・」
といいながら車を出した。


何が見えたのか気になり俺もヒョイ
ヒョイと背伸びをしたり、屈んだり
繰り返してみるがコレと言った物は
見えない。



でかいウサギのオブジェの前に立ち
ウサギの裏に回ってみる。ちゃんと
水道があり花瓶になっている。
水の入れ替えが楽なようにしてあり、
網も張ってあり、動物が入らないように気配りがしてある。


花瓶には薔薇の花が生けてあり花の
紹介もしてあった。

ロサ、ガリカオフィキナーリスと言う
赤い花びら、ピンクの花びらで、
女の子が好きそうな野薔薇系の特徴

ツルがダラ﹏ンと、たれて幾つも、
はうようにぶら下がっている。

ピンクと赤と、緑に白いうさぎが織り
成すコントラストは、沢山の目を
楽しませている事だろう。











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