愛というもの~哀しみの中で~
それからひと月ほど経ち、冬休みも終わっていつもの日常が戻ってきた。
私はクリスマスから年越し、お正月と撮りためたカメラを現像にだしており、受け取りに行った。
その日の夜は大吾がいつものように私を迎えに来てくれて一緒に帰った。

「そういえば、学校に行く前に写真受け取ってきたんだった。」

そういって私は鞄から写真を取り出すと大吾もうれしそうに隣に座ってのぞき込んできた。

「なんといっても俺らの記念すべきクリスマスだからな。俺も写真を貼るアルバム買ってたんだ。」

大吾は洋服を入れているボックスの横に置いてあった紙袋を引き寄せた。
そういえば、何日か前からそこに紙袋が置かれていた。何かなって思ってたけどアルバムだったんだ。
二人で一枚一枚写真を見ながら笑い合った。
それからまた初めから見ながら大吾の買ってきてくれたアルバムに貼っていった。
それが楽しくて時間も見ずに最後まで貼ったから結構な夜更かしをしてしまった。
次の日は眠たくてしんどかったけど昨日の夜のことを思い出すと顔がにやけていた。
大吾は危険な仕事もするし、体力勝負だから無理させないようにしないといけないのになぁ。
その日はタイミング悪く寝不足の大吾は先輩に連れられて飲みに出かけるらしくメールが来ていた。
そして、タイミング良くその日は由実ちゃんからもお泊りのお誘いのメールが来ていた。
学校終わってからになるからって返信すると由実ちゃんは車を運転できるみたいで家まで車で迎えに来てくれた。
同じマンションに住む友達に車を借りたらしい。
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