愛というもの~哀しみの中で~
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「今日はもう寝よう。これについては俺たちが言い合いをすることじゃないと思う。」

そう言ってテーブルを隅によけて、お布団を敷いてくれた。
私はコップを洗い、その場で由実ちゃんのことを考えていると大吾に後ろから抱きしめられた。

「茉莉、機嫌直して。昌も由実ちゃんももう大人だし、話せばわかるよ。」

そう言って私の頬にチュッてキスをする。
昌くんは本当に向き合って話をしてくれるのかな?その場合、私から話し合おうって言ってもいいのかな?

「茉莉?寝よう。」

大吾は私の腕を引き、布団へ連れて行く。
私は促されるままに布団に入ると電気が消えた。
大吾とくっついて眠るのは心地よくて、ぐっすり眠れる。
でもその日はなかなか寝付けずにいた。

「大吾?」

たぶん眠っていないだろう大吾に話しかけてみた。

「茉莉、眠れない?」

やっぱり起きていて私の心配をしてくれてるのがわかる。
そんな優しい大吾が好きだし、八つ当たりするのは間違ってる…。
私はぎゅーっと大吾にくっついた。

「えっ?茉莉?」

「やっぱり昌くんたちは泊まるたびにそういうことしてるのかな?私たちって始まりがあんなだから数えるくらいしかしたことないでしょ?でもそれって大吾は我慢してるんだよね?」
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