愛というもの~哀しみの中で~
「昌からだ。」

そう言って体を離して電話に出た。

「もしもし……おぅ、誤解は解けたのか?」

ドキドキしながら大吾の顔を見てると笑顔で頷かれた。
私はこそっと「由実ちゃんと話したい。」って伝えた。騙した形になったのを誤りたかったから。

「由実ちゃんと代われる?茉莉が話したいって。」

そう言うと電話を変わってくれた。
怒ってないかな?ドキドキしながら電話に出た。

『もしもし?』

「由実ちゃんごめんね、騙すみたいなことして。どうしても由実ちゃんのいる場所が知りたくて…。無事に昌くんと会えたみたいでよかった。大吾と話してて二人は同じ気持ちなのにすれ違ってそうだったからおせっかい焼いちゃった。」

『あのメール?フフッ、おかしいなって思った。大丈夫。バレンタインなのにありがとう。また今度泊まりにきてね。話を沢山したい。』

「私も。またね、おめでとう。」

そう言って電話を切った。
由実ちゃんの声が穏やかだった。由実ちゃんもこれから幸せになってほしい。私の中の昌くんのイメージは恋愛向きじゃないけど、私も人のこといえないし、信じるしかない。

「上手くいったみたいで良かったね。大吾のおかげ。私の話を聞いてくれたから。」

「茉莉が優しいからだよ。」

そう言ってチュッとキスをして交代でお風呂に入った。
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