愛というもの~哀しみの中で~
「うん…。そのほうが収入もいいみたいだし、後々国家資格も取れるって言われてた。また専門学校に通うのも手なんだけど、私の貯金でどこまで生活できるかわからないし、働きながら資格も取れるならそっちの方が助かる。」

「そっかぁ、茉莉ちゃんって相変わらずすごいよね。大吾くんにもっと頼ってもいいのに。大吾くんだってもうそんなにお給料安いわけじゃないでしょ?何とかって資格も取ったんでしょ?昌と違って頭いいし。」

「うん、頑張ってるみたい。建築士の資格も取りたいって言ってた。だからこそ今は頼る時ではないの。自分のことは自分でしないと。夜に学校行くって言ってたし。」

私が卒業したら今度は大吾が夜に学校、少し寂しいけどこれも二人の将来のために。

「二人ともえらいなぁ。私ももっと仕事がんばろっ!」

話し込んでいたら二人の携帯が鳴った。
大吾からだった。きっと由実ちゃんは昌くんからだろう。

『もしもし茉莉?おわったよ。由実ちゃんといるんだろ?お泊り?』

「お疲れ様。今日は何にも持ってきてないし帰ろうと思う。」

『そっか、じゃあ迎えに行くよ。どこ?』

「いつものファミレス」

『ファミレス好きだな、すぐ行く。中で待ってろよ。』

そう言って電話を切った。
由実ちゃんもすぐに電話を切っていた。
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