愛というもの~哀しみの中で~
由実ちゃんは大吾が来れない分毎日仕事帰りなどに寄ってくれていた。

退院した日はみんなお休みの日で午後から由実ちゃんと昌くんが退院祝いに果物を持って来てくれた。

「本当に良かったね。やっぱり家が一番だもんね。」

「由実ちゃんには本当になんてお礼をしたらいいか…」

「気にしなくていいよ。由実は茉莉ちゃんの助けになれてること喜んでたし、夜は暇だしな。」

「そうそう、そうだよ~!」

昌くんも由実ちゃんも本当に大好き。こんなに素敵な友達がいるなんて私は幸せだ。

「茉莉、梨食べれそう?昌たちが持ってきてくれたやつ。剥いたから。」

そう言って大吾がお皿に沢山梨を剥いて持ってきてくれた。

「お前果物剥けるんだな。すげーじゃん。」

昌くんが驚いていてその光景が面白くて由実ちゃんと笑った。

「俺茉莉のためなら何でもできるぞ。」

なんて大吾は自慢気に話をしていた。

「そうそう、茉莉には退院まで話してなかったんだけど…」

と大吾が言いかけると慌てて由実ちゃんが、

「待って、待って、それは私の口から…」

と遮った。
由実ちゃんは昌くんの顔を見て、改めて私のほうを向いた。

「実はね、私も……妊娠したの!」

すっごくためて言うから何事かと思って心配してたら、おめでたい話で驚きと嬉しさが一気に押し寄せた。

「えっ?えっ?すごい!おめでとう。やったね。」
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