愛というもの~哀しみの中で~
私は嬉しさと、最近は今までに増して涙もろくなりポロポロと涙が出た。

「エヘヘ、実は茉莉ちゃんが入院してすぐにわかったんだけど、もしかしたらって大吾くんすごい取り乱してるし言い出せなかったの。」

「えっ?大吾、取り乱してたの?」

そんなこと知らなくってびっくりして大吾の顔を見た。
大吾は私に寄ってきてお腹に手を当てた。

「だって、医者から個室に呼ばれて流産する可能性が高くなっていっているからこのままだと覚悟してくださいって深刻に言われてさ…。」

「こいつ泣きながらうちに来てすごかったんだ。本当に無事で安心したよ。由実がちんたらしなかったら同級生だって。茉莉ちゃんよろしくな。」

「ちんたらって!初産はお産が予定日より遅れる傾向にあるって言うしこればっかりは私のせいじゃないわよ。」

そんな相変わらずの二人を見て笑ってしまう。

「フフッ、うん。こちらこそよろしくね。予定日っていつなの?」

「うちはね、3月21日なの。茉莉ちゃんは12月29日だったわよね?」

「そうそう。わー楽しみだね。一緒にお散歩しようね。」

そう言っていると大吾がまたエコー写真のアルバムを持ってきていた。
見てみると知らないうちに写真が増えていた。

「こんな写真あったかな?」

「これは茉莉が入院中に定期的に診られてただろ?そのときの。絶対コピーでいいんでくださいって医者にお願いしてたんだ。」

知らなかった…。
< 180 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop